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第4回保育園転園

 ひまわり学園に来てから一年が経過しました。リュウは年中になっていました。私は半年後の10月に職場復帰でした。焦っても仕方が無かったけど、焦ってしまう私がいました。

 ひまわり学園での生活はリュウが年中に上がった時に大きく乱れました。ひどい登園しぶりを起こしたのです。クラスのメンバーや教室が変わったことが大きな要因でした。通園バスを見るだけで「ひまわり行かない!」と泣いて暴れてバスの乗車を拒否するパニックを起こし、園まで送ったり、違うバス停から乗車したり、まだ小さいハルを連れてなんとか登園させていました。こんな毎日が続き、成長を感じることができませんでした。この時期に療育センターで受けた発達検査も期待していたほどは伸びていなかったので、年中での転園をあきらめ始めました。場合によっては就学までひまわり学園にいることになるかもと。何とかして仕事を調整していかなければと思っていました。

 発達に心配のあるお子さんは小学校就学に際して就学相談を受けることができます。年長さんは就学相談の準備に入っていました。まだ年中ではありましたが、リュウが年長の時は仕事で忙しく時間がとれないだろうと思い、何校か支援学級の見学に行きました。支援学級では少人数で過ごすことができ、個人に合わせたプログラムで対応しているとのことでした。これなら無理なく学校生活を送ることができるなと思いました。その頃のリュウは普通学級でみんなに合わせて生活できるとはとても思えなかったので、支援学級が魅力的に感じました。でも、校区の小学校は小規模校で支援学級はありませんでした。私は支援学級に抵抗を感じてはいなかったのですが、地元の学校に通わせたいという思いが強かったのです。地元の学校であれば歩いて登下校できるし、地域の方も見守ってくださるので、何とかリュウが成長して地元の学校に行ければと思っていました。

 年中になって2ヶ月くらいしてから、リュウは落ち着いてきました。個別の担当の先生が変わったこともいい方向に作用したのかもしれません。発達別のグループもコミュニケーション力が伸びたので、希望のグループに入ることができました。リュウは知識をどんどん吸収していきました。一方的だった会話も少しずつ成立し始めていました。子どもとの会話って楽しいんだ、としみじみと嬉しくなったこともありました。相変わらずお友達との関わりは下手だったのですけどね。グループの保育を見学に行きましたが、先生の指示に従い決められた時間には椅子にきちんと座り、当てられると発表を的確にすることができるようになっていて感動しました。

 同じ頃、仕事の復帰先の課長と面談があり「リュウのことがあるので通勤手段を車にしてほしい」とお願いしました。課長は話を聞いてくれて「心配しすぎなくていい」と言ってくださいました。仕事に復帰しても配慮してくれそうな感触がありました。

 ひまわり学園に来て2度目の夏、私は3人目の子どもを妊娠していることに気がつきました。想定外だったので混乱しました。仕事復帰してからの生活を描き直さないといけなくなったからです。その上職場に何て言えばいいのか...。そんな事を考える事自体嫌だったのですが、男社会の会社なので考え込んでしまいました。少子高齢化なので子を生むという事がもっと胸を張れることだといいのにと恨めしく思ったものです。

 つわりと自分の気持ちが落ち着き、少し涼しくなった9月の初旬、ひまわり学園に第3子を妊娠したことを伝えました。そして同時に朝の通園バスには乗車せずに、車で直接通園をお願いすることもお願いしました。しかし、ひまわり学園の返事は、登園方法はあくまでも通園バスで行うようにとのことでした。一番はじめのバス停で乗車させても会社に間に合う時間ではありません。年老いた義両親にお願いするという方法も可能なのですが、毎日の事になると負担は大きくなります。また、会社に車通勤の申請を出してはいたものの復帰の直前までどうなるかわかりませんでした。

 正直困っていました。ひまわり学園に登園させる手段が無くなる...。解決する方法は保育園に転園させるしかない。私の中で年中まではひまわり学園に通わせることを覚悟していましたが、先生方から転園の打診が無かったので今後どうなるのか、とても不安でした。

 園長先生をはじめ、担任の先生方と話し合いの場が持たれました。園長先生は「仕事を辞める必要はない。リュウ君を中心に家庭を回していたら上手くいかなくなる。リュウ君も家族の一員なので彼にも協力してもらわないといけない」と言ってくださいました。「もうリュウ君は保育園でもやっていけるでしょう」とも。待ちに待った転園許可でもありました。

 時間はありませんでした。リュウが以前通っていた保育園に事情を伝えて急遽10月から保育をお願いする事を伝えました。9月からハルも同じ保育園に通っていたので同じ保育園に通えるのであれば助かります。クラスの定員までギリギリだったのですが、気持ちよく受け入れてくださいました。新しい担任の先生と面談した時、私の表情がよっぽど不安そうに見えたのでしょう。「大丈夫、リュウ君は私が守ります!」と言ってくださいました。接したこともない障がいがあるリュウにそんな事を言ってくれるなんて、驚きとともに感動しました。この先生なら信頼できるとも思いました。

 転園前に児童相談所で発達検査を受けました。約2年前に受けた値から40近くも伸びていました。担当してくださった心理士さんもデコボコはあるけど、保育園で生活できそうですねと言ってくださいました。毎日の生活の中では成長を感じにくいのですが、数字として成長を感じた時、リュウはとても頑張ったのだと思いました。もちろん伸びていようがいなかろうがリュウはリュウなのですけどね。数値が高くなっても生きる上での困難さには変りないですが、言語面での理解が伸びたことがとても大きかったです。ひまわり学園で適切な療育を受けたことがこんなにも成長に影響するなんて...。入園するときは迷いに迷ったのですが、本当によかったと思いました。

 9月30日、最後の通園バスからリュウが降りてきました。いつものようにバスから降りても車に一直線でバスに手を振ることも無く帰りました。「今日でひまわり学園最後だったね」というと「はい、帰ろう」と素っ気無い返事。彼らしいひまわり学園との別れでした。

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