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第5回保育園生活

 10月1日保育園生活が再開しました。保育園生活の再開はそれほど不安ではありませんでした。なぜなら1年半前まで通っていた園だからです。そして、弟のハルが1カ月早く9月から入園していたので、リュウは送り迎えについてきていました。リュウの登園は自然に入っていくことができました。

 とはいっても、心配でした。先生への挨拶はほとんどできないし、登園してからの身支度もやろうとせずオモチャに気を取られるリュウ。思わず保育室に入りリュウの身支度を手伝おうとすると「リュウ君のお母さんは帰って!」とリュウのクラスメイトの男の子に教室から追い出されてしまいました。初日くらいは午前中いっぱい見守ろうと思っていましたが、私がいると他の子がお母さんを思い出すのかなということも気になって、先生にお任せすることにしました。お迎えに行った時、先生が「リュウ君は全然大丈夫でしたよ」とおっしゃって下さったので安心しました。1年半前まで同じクラスだったクラスメイトに助けられた部分も大いにあったのかもしれません。

 以前、リュウは先生からの指示を受け取るのが難しかったのですが、繰り返し指示を促してもらうと理解できることが多くなりました。ワークブックなどをする時は、クラスメイトよりもスラスラ文字が書けるリュウに注目が集まったそうです。そりゃあ1年前から頑張ったんですもの!お友達にあまり興味が無く一人で遊ぶことは相変わらず多かったのですが、友達とトラブルになることはほとんどありませんでした。リュウのクラスは元気のいい男の子が多かったので、おとなしかったリュウは可愛がられたようです。

 私も職場復帰をしてリュウのことだけを考える時間が少なくなったこともあり、リュウとの関係が楽になったのを感じました。職場では仕事はきつかったけど、子育てをする私に対する対応が以前より格段に良くなっていました。上司である課長が定時過ぎには退社していたので、私も早く退社しやすかったのです。課長より先に帰ることがほとんどなかったので、気が楽でした。仕事という自己実現の場所を再び手に入れた、その喜びは何にも変えがたく、ああ私には仕事が必要なのだと再認識しました。

 11月生活発表会がありました。2年前ひまわり学園に行くことを考えるきっかけになった生活発表会を思い出すと私のほうが緊張しました。「せめてステージから脱走しないでほしいな」と消極的な思いで見守っていました。しかし、その考えは杞憂に終わりました。合奏、お遊戯、劇の全てに出演でき、ワンテンポ遅れてはいましたが課題をこなすことができていました。「ああ、成長したなあ」と涙が出そうになるのを必死でこらえていました。

 保育園での年中時代はトラブルがほとんどなく過ごすことができていました。年が明けて1月から療育センターのポニー通園に通うことになりました。保育園生活は順調だったとはいえ、療育機関と繋がりがない日々は不安でした。IQは年齢以上のものがあったのですが、社会性が幼いリュウ。ソーシャルスキルトレーニングを取り入れたポニー通園は魅力的でした。2週間(もしくは1週間)に1回、2時間の母子通園です。仕事をしていたのでポニー通園に通うのは2週間に1回が限度でした。この通園ではリュウの苦手なことばかりで、椅子に座る、自己紹介をする等、ひまわり学園や保育園では問題なくできていたことが全然できませんでした。あのひまわり学園に通っていた日々は何だったのだと通園に行くたびに落ち込んでしまいました。このことは後で慣れない環境では視覚や聴覚に受ける刺激が多すぎて落ち着きがなくなるというリュウの特性ならではの現象だったのですが、年長時の就学相談を控えていたので、地域の学校に通うことができるのかと不安に陥ってしまいました。それでも、この2時間の間に指導員の先生が悩みを親身になって聞いてくれて、リュウに対する対応を一緒に考えることができました。これは母子通園のいいところでした。

 3月末、三人目の子、珠子(たまこ)が生まれました。初めての女の子でした。年長になったリュウは次男のハルが生まれた時とは違って珠子をとても可愛がりました。赤ちゃんを認識できるようになったのでしょう。リュウは注意すれば理解できるようになっていたし、ハルは2歳にしてはとてもお利口で珠子に悪さをすることもありませんでした。

 珠子のいる生活に慣れてきた夏の初めの頃、リュウの担任の先生から「リュウくんが突然お友達を叩いた」という報告がありました。それまでリュウはほとんど他害が無かったので私はとても驚きました。その報告はそれから毎日のように続きました。どうしたんだろう...。実際にリュウがお友達と接している場面を見ていないので、その場面を確認したいと思いました。しかし保育園はひまわり学園と違って保育を常時参観できる訳ではないし、不安は続いていました。そんな悩みを母子通園の時に指導員の先生に話してみました。すると、先生は「リュウくんは本当に理由もなくお友達を叩いたのでしょうか」と言われました。確かに、その頃のリュウはすれ違いざまに人にぶつかったら、それを反復するかのように軽くタッチをする等、何らかの形で仕返しをしないと気が済まないというこだわりがあったのです。リュウの保育園での問題行動はその延長線ではないかという考えが浮かびました。療育センターから保育園に連絡を取ってもらい担任の先生同士で話をすると、こだわりの一種であろうということになりました。今まで周りに興味がなかったけれどお友達に対する関心が少しづつ出てきた、その結果仕返しという形でお友達に接してしまっていたのです。リュウのこだわりは一度現れると1~2か月は継続するという特性がありました。仕返しのこだわりはすぐには収まらないと思われたので、お友達に怪我などをさせないように担任の先生に様子を見続けてもらうことにしました。

 このことで悩んでいる間に就学相談の申し込みを行いました。就学相談というのは、発達に心配のある子どもを持つ保護者が、子どもにとってどこに就学することが一番成長できるのかということを教育委員会と話し合う相談会のことです。発達の状態によって支援学校、支援学級(知的、情緒)、普通級等、進路は様々です。リュウの保育園では就学相談を受けた人がこれまでにいなかったようで、私も初めてでしたが保育園の先生も初めてで試行錯誤の状態でした。書類を記入していてわからないところが出てきたら、わざわざ教育委員会や出身のひまわり学園に問い合わせをして書き上げました。仕事で書類を作成するのは慣れているのに、息子の小学校がこの1枚で決まるのだと思うと緊張してしまいました。

 地域の学校に行かせたいと思いながらも、情緒の支援学級でないとリュウはやっていけないのではないかと思っていました。しかし、そうなると隣の校区の小学校に通うことになり登下校の送迎が発生します。それをどう乗り切ればいいのか、せっかく家を構えたのに地元の子ども会に入会できずに地域の子どもと触れ合いが持てないのは寂しいのではないか、将来ハルや珠子とは別々の学校に通うことになるのだろうかという不安を抱えながら就学相談を迎えることになりました。

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